2018年08月15日

不思議な縁[三橋]


あれから73回目の夏。


私の父方の祖父は、明治生まれだった。


生きていれば、106歳。


あまり戦争の話を聞いたことはなかったが、


東京の理系の大学に通った祖父は、


戦争の時に工場で研究をしていたそうだ。


原爆が落ちる前に


広島から愛知県春日井市へ移動となり、


たまたま原爆の被害に遭うことはなかった。


それから福島へと戻り


常にゲラゲラ笑っていた明るい祖母と共に


高校の教員として父たち子供四人を育てる。


祖父は私が小さい頃遊びに行くと、


家に高校生を呼んで物理や数学を教えていた。


77歳までスーパーカブiconに乗り、


学校で非常勤講師として働いていた。


晩年は愛知で過ごしたが、


研究心はいつまでも絶えることはなく、


最期まで、常に何かを調べていた記憶がある。


そんな祖父の生まれは、福島県喜多方市豊川町。


そして私が育った所も


偶然愛知県豊川市。


全く違う所ではあるが、


同じ豊川小学校に通う。


戦争を体験した祖父がいたからこそ、


今私たちはここに居る。


縁とは不思議なものである。





  


Posted by 立志塾  at 14:29三橋