2012年06月04日

リンゲルマン効果 〔中村〕

 小5の国語の教科書に『世界でいちばんやかましい音』という物語文(童話)が掲載されています。



【あらすじ】
 世界で一番やかましいガヤガヤの都。住民は口を開けばわめくか怒鳴り、アヒルは世界中のどこのアヒルよりもやかましく鳴き、家の戸は大きな音をたてて閉まり、警官はけたたましい音で笛を吹きます……。

 そんなガヤガヤの都のなかでも、とりわけ王子ギャオギャオはやかましい音が大好き。
 王子の誕生日が1ヶ月半と迫ったある日、王子は自らへの誕生日プレゼントとして「ぼく、世界でいちばんやかましい音が聞きたい。」と父親である王様にお願いします。王様は了承し、世界中に依頼の伝令を送ると、世界中の人々もこの計画に賛同します。 
 誕生日の決まった時間になったら、みんな一斉に「ギャオギャオ王子、誕生日おめでとう!」と、ありったけの声で叫ぶのです。

 さあ、誕生日当日、その瞬間がやってきます。
 15秒前……10秒前……5秒前……3、2、1、それっ!




 さあ、世界一やかましい音とは?王子は喜んでくれたのでしょうか?

 小5のみんなは答えを知ってますね(笑)。

 答え⇒その瞬間、何億という人々の耳に聞こえたのは、全くの沈黙だったのです。

 なぜか?

 それは、全員が“叫ぶことを他人に任せ、自分だけが世界一やかましい音を聞こうとした”からです。

 その結果、王子は生まれて初めて自然の音や、静けさと落ち着きを知り、それ以来ガヤガヤの町は世界で一番静かな町になった、というお話。

 最終的にはハッピーエンド(?)なので、誰も不利益をこうむることはなさそうですが、この物語で世界中の人々のとった行動に、みなさん心当たりがありませんか?





 “誰かがやるだろうから、自分1人くらいは……”という心理が作用して………多かれ少なかれ経験ありますね。

 「共同で作業を行う時、集団の人数が増えるにつれて、1人当たりの努力する量は減っていく」

 この現象を、『リンゲルマン効果』と言うそうです。




 ドイツの心理学者リンゲルマン先生の実験によると、集団で綱引きをした場合、1人が全力で引いたときの力を100%とすると、2人のときには93%、3人のときには85%、8人のときには49%にまで各人の出す力が減少する、ということが分かったそうです。

 確かに、子供の頃、学校のサッカーゴールを大勢で運ぶとき、手を添えていただけだった気が……ムム。

 確かに、会社の会議で、うつむいたまま誰かが意見を言うのをずっと待っていた気が……ムムムムム。

 これらもリンゲルマン効果なんでしょうか?

 世間のエコ活動にしても、交通安全運動にしても、学校の掃除の時間だって、人間はそれに関わる人数が膨らめば膨らむほど、無意識のうちに手を抜いてしまう生き物だということです。

 では勉強は?

 塾などで他人の助言や手ほどきを受ける過程はあるにせよ、勉強には“他人が私のために解法を理解し、その結果私の成績が上がる”なんて道理は存在しません。壁にぶつかり悩み苦しむのも、入試本番で自分のために試験を受けるのも己ただ1人です。

 したがって、“誰かがやるだろう……”という論理はここでは通用しません。言わば、逃げ道はない、ということです。

 1人で歩む勉強の道。加担する者がいない分、手の抜きようがないはずなのですが、そこで手を抜いてしまえば………無論、話にならないということですね…。

 きみはいつも100%のやる気と集中力で机に向かっていますか?
  


Posted by 立志塾  at 00:04Comments(0)中村